こんにちは、かばちゃんです!!
「きょうだい児」という言葉をご存じですか?「きょうだい児」とは病気や障害を抱える兄姉弟妹をもつ子供のことをいいます。
今回はそんな「きょうだい児」の母のお話をしようと思います。
- 当時はどんなことで苦労したの?
- 令和のきょうだい児ってどんな感じ?
- 家庭でできることはあるのかな・・・。
こんな疑問にお答えします。
- 昭和のきょうだい児の苦労
- たいちゃんのクラスの支援学級の子
- 支援学校に勤める友人のひとこと
- 我が家で守るルール3選
この記事を書いている私は、アスペルガー娘と自閉症息子を育てる現役ママさん!!
障害を抱える子をもつママさんも、クラスに障害を抱えるお友達がいるママさんも、ぜひ最後まで読んでくださいね♪
伯父は生まれつき知的障害ではなかった

母の兄、つまり私の伯父は生まれつき障害を抱えていたわけではありません。
祖母いわく1歳か2歳のころ出した高熱が原因だったそうです。
母は現在60代、当時の医療ではどうしようもなかったのだと思います。
これについては母も祖母からハッキリと聞いたわけではないので詳しくはわからないそう。
そんなことがあっても祖母は後2人子供を産んだわけで・・・。
つまり母は3兄弟の末っ子、知的障害の兄と定型発達の姉をもつきょうだい児でした。

いろんな意味で豪快な祖母でしたが、すごいな~と今でも思っています!!
学生のときに受けたいじめ
小学生の母、あることないこと言われ放題だったそうです。
ここには書きたくない、悲しい言葉で伯父のことを悪く言われていました。
当時の支援学級といえば今みたいなイメージとはまた違うものだったのは想像の通りで・・・。
昭和の時代は間違った知識や偏見が今以上に強かったのでしょう。
そんな母もある日限界がきて・・・

もうお兄ちゃんのことで悪口いわれるの、つらいよ!!
姉である伯母といっしょにこう訴えたそうです。すると祖母は・・・

・・・お兄ちゃんだって、好きであんなになったんじゃない!!
何があっても絶対泣かなかった祖母が、怒りながら泣いたそうです。
その涙を見た母と伯母は、それ以上なにも言えなかった・・・そしてそれからは絶対に伯父のことを悪く言われても祖母には言わなかったそうです。
「私は強くならなければいけない、イヤなことを言われたぐらいなんだ!!」
そう自分に言い聞かせて、自分を奮い立たせて学校に行っていたのだと泣きながら私に話してくれました。
たいちゃんのクラスのムーくん

去年、たいちゃんのクラスには支援学級に在籍している「ムーくん」というお友達がいました。
ムーくんは幼稚園のときからいっしょで、発語はないけれど身辺自立はある程度できているとても人懐っこい男の子です。
そんなムーくんは週に何日かたいちゃんのクラスでいっしょに給食を食べていました。
しかしあまり手先が器用ではないムーくんは、牛乳をこぼしてしまったそうです。
すると周りの子たちはコソコソと「うわー・・・」「気持ち悪い・・・」と口々に言っていたのだそう。
それを横で聞いていたたいちゃん・・・

なんであんなにひどいことを言うの、牛乳こぼれただけじゃない!!
でも私も「そんなこと言ったらダメ」って言えなかった・・・
うわーん!!
家に帰ってきてから大号泣・・・よっぽどイヤだった様子・・・。
そりゃ、横で聞いていて気持ちのいいものではありません。
それどころか私も支援級に通うよーくんのことと重なってフツフツとわいてくる怒り!!
しかしここで怒りに身をまかせて私まで沸騰すると収集つかなくなるので・・・

そうか、それはイヤだったね。
でもそこで「そんなこと言ったらダメ」って言うだけが正解じゃないんだよ?
そういうときは、困ってるムーくんに「大丈夫?」と声をかけるのが先。
困ってたら助ける、ひとりで処理できるのなら見守る。
今度からそうしてみたら?
そうアドバイスすると、納得してもらえました。
たいちゃんの中にある「正義」が行動を起こせなかった自分を許せなかったのでしょう。
この件はしっかり担任の先生に報告させていただき、それ以来ムーくんを悪くいう子はいなくなったそうです。
小学5年生になると、見方が変わる?
この件で先行きがかなーっり不安になった私は、恒例のママ友会にて相談をしました。
ママ友についてはこちらも参考にしてください。

高校生や小学6年生、成人されたお子さんなど様々な先輩ママさんにアドバイスをいただきます。
すると意外な答えが返ってきました。

大丈夫よ~
小学5年生ぐらいになったら、福祉の心が芽生えてくるから!!
えっ?! そういうものなのか?! ちょっとあっけにとられました。
そのママさんいわく、5年生ぐらいになると言っていいこと悪いことの区別がかなりつくのだそう。
中には進んでお手伝いをしている子もいるそう。
実際にママ友さんの子は小学6年生ですが、重度の自閉症の弟のことをサラッと「弟、自閉症なんだよね~」と周囲に話しているとのこと。
それを周りにいるお友達も「あっそうなんだー」という反応なんだとか。

まだまだ差別や偏見はゼロではないけど、昭和と令和の時代では少し感じ方がちがうみたいだね。
大人よりも、子供たちのほうが柔軟な考え方をもっているような気がします。
ムーくんの話をしたとき、支援学校に勤める友人はこんなことを言っていました。

こういう言い方はあまりよくないけど・・・
知的に遅れのないグレーゾーンの子ほど客観的に自分が見えるのね。
そうなるとやっぱり他の子と自分のちがいがイヤでもわかってしまうの。
それを思うと本当に生きづらくて本人も苦しい・・・
でも重度になればなるほど客観的に自分を見ることはないから、そういう意味では辛くないのかもしれない・・・
確かにムーくんは、自分がそんな風に言われていることもまったく気づいていなかった。
それはそれで心苦しい・・・。
言い方は少し悪いのかもしれないけれど、友人の言うことにも一理あるな・・・そんな風にも思います。
自分の兄姉弟妹が悪く言われて嬉しい人なんかいません。
気づいていないからと言って、何を言ってもいいということにはなりませんしね。
知的な遅れがないたいちゃんと、知的な遅れがあるよーくんを育てる私にとってはすごく重みのあるひとことでした。
いろいろ考えさせられます・・・。

叱る基準は同じ
これはどのご家庭でもされていることだとは思いますが、わかるわからないに関わらず姉弟で叱る基準は変えません。
よーくんにはわからなかったことでも、してはいけないことは理由を説明して同じように叱っています。
もちろん理解できるように言い方や伝える方法などは工夫していますが。

「わかってないから」という理由では見逃さないよ。
むしろ「わかってもらえる」チャンスだと思ってる!!
ルールは2人に守らせる
- テレビをつけるのは朝の支度が終わってから
- お出かけは宿題が終わってから
- テレビの時間は平日30分、休日午前と午後1時間ずつ
- あいさつは必ずする
ほんの一部ですが我が家のルールです。
多少の例外を認めることはあっても、癇癪を起したからとか機嫌が悪いからといった理由ではルールは変えません。
もしよーくんがテレビをもっと見たい!!という理由で泣いても、それでテレビはつけることはないです。
ここでテレビをつけてしまうと、キチンとルールを守っているたいちゃんが

よーくんばっかりずるい!!
私も泣いて訴えたらもっとテレビが見られるのかな・・・。
なーんて思ってしまいそうで!!
ここはしっかり線を引き、どれだけ泣いてもルールはルール、姉弟で差はつけないよう気をつけています。
障害があるなしではなく、困っている子を助けよう
前々から思っていることなのですが、「障害があるから助ける」のではなく「困っているから助ける」という意識をもったほうがいいということです。
特に発達障害は目に見えない障害でもあり、初めて会った人ではそれが障害なのかそうではないのかという区別はつかないと思います。
だからこそ、障害のあるなしに関わらず困っていたら「大丈夫?手伝いましょうか?」の声掛けが必要なんじゃないかと。
子供たち、とくにたいちゃんにはいつもそう話しています。
よーくんといっしょに暮らし、放課後デイでもいろんなお友達とふれあっているからこそ、きっとたいちゃんにはその意味が理解できると信じています。

ガールズトークできないし、ストレートな物言いするときあるけど・・・
そういう部分では信頼してます・・・たぶん(笑)
- 知的障害を抱える兄をもつ母の話
- 現代っ子のお友達関係
- 支援学校に勤める友人のひとこと
- 我が家のルール3選
今回はこんな話をしてきました。
差別や偏見はなかなかなくなりません。
それは大人である私たちが変えていかないと、子供たちにもまた同じことを繰り返させてしまいます。
子供たちは聞いています、大人の会話を。
柔軟な心や視点をもった子供たちに、大人がもっている差別や偏見を植え付けないようにしていきたいものです。

普段している会話から、少しずつ意識していけたらいいよね!!
この世界がもう少し、優しくてやわらかいものになることを祈って・・・。
今がちょっとでも、「悪くないじゃん!!」そう思えるように・・・。
ではではっ!!