この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

こんにちは!アスペルガー娘たいちゃんと自閉症息子よーくんを子育て中のかばちゃんです。
現在は小学校の通常級と支援学級に通っているわが子たち。
いまのところは元気に学校へ通っていますが、何度か「学校へ行きたくない」と言われたこともあります。
発達障害の子育てをしていると「不登校」の言葉が頭をよぎることも少なくないでしょう。
- 学校に行くのがツラそう
- 登校時の行き渋りが激しい
- 不登校になったらどうしよう……
不登校になったら、子どもの将来どうなるの?と不安になる人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな子どもの不登校を心配している人に向けて、中学1年生から不登校になった息子のハリーくんを育てるあんりさん(@anriblog)にお話をうかがいました!
- 中学3年生のハリーくんと中学1年生の娘さんを育てるママ
- 子ども2人は発達障害
- 元保育士
- きょうだい児で重度自閉症の妹をもつ
- 不登校生のお母さん、お父さんが明るく前向きになれるサイト不登校のママLIFEを運営中!
- 息子のハリーくんが不登校になったキッカケ
- やってしまった失敗談とよかった対応
- 不登校の不安を解消する考え方
あんりさんは不登校のハリーくんと向き合うことで、学校がすべてではなく、たくさんの選択肢があることを知ったそうです。
「不登校になったらおしまいだ!」と不安に思っている人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
いままでの考え方が、がらりとかわりますよ。

ハリーくん
中学1年生から不登校になる。自閉症スペクトラム、ADHD、書字障害、発達性協調運動障害。字を書くのは苦手だが、タイピングは得意!明るい不登校。ハリーポッターが大好き!

あんりさん、本日はよろしくお願いします! まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?

よろしくお願いしまーす!
中学3年生で不登校の息子、ハリーくんと中学1年生の娘を育てるママです!
前職は保育士をしていました。

さっそくですが、ハリーくんが不登校になったのはいつからですか?

中学1年生の、夏休みに入る1週間ぐらい前です。キッカケはいろんな出来事が積み重なってのことでした。
小学1年生で診断……でもたらい回しの日々!?

具体的に、どんなことがあったんでしょう?小さいころの様子から教えていただけますか?

ハリーは小さいころから集団生活が苦手でした。全体指示が通らなかったり、字を書くのが苦手だったり。

小学1年生のときに自閉症スペクトラムとADHDの診断を受けました。はっきりとは言われなかったけど、書字障害と発達性協調運動障害の症状もでていましたね。

みんなと同じ行動をとるのが難しかったんですね。小学校に入学したころはどんな様子でしたか?

小学校は通常級に入学したんですが、担任の先生から「ちょっと面倒みきれない」と言われてしまって。

ちがう学校の支援学級を見学に行きましたが「支援級にこなくても通常級で先生のサポートがあれば大丈夫!」と言われて……こっちでもなくてあっちでもないのかと。

たらい回しにされたんですね……。

担任の先生が、あまり発達障害に理解がなかったんです。
ちょうどそのころ教育相談にも行ってて「ハリーくんの席を前のほうにしてもらってください」と対応の仕方を教えてもらいました。

それを担任の先生に伝えると「ハリーくんだけ前の席にするのは……目の悪い子もいますし」なんてわけのわからないこと言われて!教頭先生とお話したこともあります(笑)

なかなか修羅の道を通ってこられましたね!他のお子さんからは、なにか言われたりしませんでしたか?

クラスメイトからはすんなり受け入れてもらえました!
先生には他の子にも説明してもらっていいから、とりあえず席は前にしてくださいと。とくになにか言われることはなかったですね。

案外、大人よりも子どものほうがスッと受け入れてくれるパターンが多いですよね。

そうなんです。
療育には小1~小6まで放課後デイに通って、発達外来も受診して小3から投薬をはじめました。いま思えば、小学6年生のころが1番落ち着いていましたね。
コロナが流行!イレギュラーの連続

ハリーくんが崩れるキッカケみたいなものはあったんですか?

ちょうどそのころ、コロナが大流行しだして。
放課後デイは休業が続いたのでやめました。塾も問題なく行けてましたし……でも、イレギュラーの連続が、少し負担だったのかもしれません。

卒業式の練習を頑張ったのに、親は参加できず、歌も写真もなし。入学式のあとはすぐに休校になりましたし。その後は時差登校が2週間あって、学校にも行けていたんですが。

あのころは日本中がパニックでしたもんね。

通常の授業に戻った最初の週に、ある先生に理不尽な怒られ方をされたみたいで。それもあって、その先生の授業がある曜日は行けなくなり、次の週はその先生の授業がある前の日も行けなくなって……。

ちょっとずつ学校に行けない日が増えて、そのまま不登校になりました。最終的なキッカケは先生に怒られたことでしたが、いろいろ積み重なった結果でしたね。

理不尽な怒られ方をされて、気持ちのいい人なんていませんもんね。

周りの子にも聞きましたが、ちょっと理不尽だったと。
後日、担任の先生に理由を聞くと「コロナでバタバタして、調査書は見ていたけれど、どの子がハリーくんか把握できていなかった」そうです。

えええっ! 調査書の意味は……!?

ホント、それなんです(笑)
先生の間で情報共有が上手くできていなかったみたいですね。

ハリーくんが不登校になったすぐはどんな様子でしたか?

「人生終わった」みたいな感じで、落ち込んでいましたね。学校に行きたいけど、行けないと。ほとんど部屋から出ないし、居間にいてもボーっとしてるし……夜も寝ない日が続いて、だいぶヤバそうでした。

ハリーくん、ツラかったでしょうね。

最初「学校を休みたい」って言われたときは、すぐにいいよと返事をして休ませました。怒られた話も聞いていましたし。そのときの対応はよかったんですけど……

1週間全部行かない!みたいになったときは、さすがに抵抗しましたね。玄関から外に押し出したり、車で送ろうとしたりもしました。まぁ、車には乗らなかったですけど(笑)

そうなんですか?! ちょっと意外でした。

何日か休みが続くようになってからは、ちょっと焦りがでちゃって……このままだとまずいなって。
でも無理に行かせようとしたことは、いま思えば失敗だったなと。

あのときの自分にアドバイスをするなら「無理に行かせようとしなくても大丈夫、なんとかなるよ」って、言ってあげたいですね。

ハリーくんが不登校になったとき、ご主人の反応はどんな感じでしたか?

そうですね~穏やかな感じで「行かせられないかなぁ?」って言ってましたね!

おおっ! わりとアッサリなんですね!

そうなんです(笑)
前々から夫は発達障害のことを理解しているので。私やハリーを責めたりせずに「このまま不登校になっても大丈夫なのかなぁ……どうなんだろう?大変なのかなぁ?」って感じで。

そこで検索して、不登校のことをいろいろ調べました。検索して調べたら、意外と大丈夫そうだったので「じゃあもういいね、行かせなくて!」と。2日ぐらいで切り替えました!

さらっと普段通りの対応ができるのって、すごいことだと思います!

最終的には「大丈夫ならいいんじゃない?」って言ってましたね、無理してもしょうがないですし。2人の考えで共通していたのは無理に学校に行かせて精神が壊れるのが1番問題だということでした。

学校に行けない事実よりも、将来的に精神が不安定になり、うつや二次障害になるのを防ぎたい。だから、学校はもうやめよう!となりました。

二次障害は怖いですよね。私も調べたことがありますが、絶対に防ぎたいと思っています。

しばらくツラい時期が続いたと思いますが……ハリーくんが元気を取り戻せたキッカケを教えてください!

まずは学校に行かなくてもいいよと伝えて、家では好きなことを自由にできるようにしていました!
家では好きなことをやる!心の回復期

家ではどんなことをして過ごしていましたか?

ハリーは音楽が好きなので、 YouTube Music を利用していました。あと無料でマンガが読めるアプリに登録して、1日に少しずつ読んでましたね。

本も好きなので、kindle や本が読み放題のサブスクを利用していました。家で映画も見てましたね。出かけられそうなときは平日でも気にせず、いっしょに行きたいところに行きました!

制限をかけるのではなく、自由に過ごせるようにしていたんですね。

はい!とにかく「学校に戻ろう」とする思考をやめて、いまは心の回復期という意識で楽しめるようにしていましたね。

その考え方、すごくいいですね!
学校に行けないのは、自分だけじゃない

他にはどんなことをしましたか?

学校に行けないのは、あなただけじゃないんだよって伝えました。「みんなは行けるのに自分だけ学校に行けてないんだ!」みたいになっちゃうと病むじゃないですか。

他にも学校に行けていない子はたくさんいるから、見るだけ見てこよう!と声をかけて。教育相談の適応教室や、フリースクールの見学にいっしょに行きました。

「あなただけじゃないよ」というのは、ステキなメッセージですね!

ここに入ったら?じゃなくて、こんなに学校行けない子がいるんだよっていうのを教えたくて。ハリーだけじゃないんだよって伝えましたね。
「学校に行きたい」を消す!?勉強は家でもできる!

でも、学校に行かなくてもいいよと伝えてはいましたが、ハリーは「そうは言っても、行きたいのは行きたいんだけど……」みたいな感じで。

いろんな葛藤があったんですね……すぐに整理をつけるのは難しかったと思います。

ちゃんと理由を聞くと「このまま勉強しないと高校も大学も行けない→就職できない→生きていけない!詰んだ!」と思っていたみたいで。

そのときは家でも勉強はできるし、中学校に行けなくても、行ける高校はあるんだと知識的なことを伝えました。

知識や情報は大事ですね! 知っているのと知らないのでは不安感が全然ちがいますから。

そうなんです!
学校や塾だけじゃなくて、通信教育やオンライン家庭教師など方法はたくさんあることを伝えて。もし勉強したかったら、なにかやってみる?と言ってみました!

PC やタブレットがあれば、家でもいろんなことができる時代ですね。

いくつか方法を提示して、気になったものは体験した結果……通信教育の「すらら」に決めました!これがすごくよかったです!

ハリーくんにぴったりハマったんですね!

はい!それもありますが「勉強しないといけないからやりなさい!」ではなくて。そんなに勉強が心配だったら家でもできるから、家でやることしよう!といったスタンスで。

本当は学校に行きたくないのに、将来のために行きたい、でもツラいから行けない……この「行きたい」の部分を消したかったんです。結果的に、これがすごくよかったみたいで!

勉強の不安をなくしたことで、ハリーくんも心が軽くなったんですね!

家でも勉強できるなら、もう学校はいいや!と思えたみたいです。学校に行かなくても大丈夫なんだって。通信教育をはじめたことで、前向きになれましたね。

そうしたら、以前見学に行ったフリースクールに行ってみようかな?と思ったみたいで!勉強も家でできるし、ちょっと遊びに行こうかな~と。そんな感じでフリースクールに通えるようになりました!

家以外に居場所があるのは、大切なことですね!

本当に大事です!やっぱり同世代の子とも触れ合いたいみたいだったので。学校以外の友達を作れたこともよかったです。最近はよくいっしょに遊びに行ってますね!

通信教育をはじめたことが、転機になったんですね。

ハリーにとっては、1番のキッカケでした。通信教育をはじめることで勉強への不安がなくなったので。そんな「すらら」の体験レビューを書いているので、ぜひ参考にしてくださいね!

すららをはじめたハリーくんですが、学習は順調に進んでますか?

やらない日もありますが、自分で「今日はここまで!」と決めて取り組んでいます。すららはマイペースで学習できるので続いてますね。

あんりさんは、あまり口出しされないんですか?

う~ん……やってるのぉ?ぐらいは聞きますかね(笑)思春期もあって、あまり指示されるのは好きじゃないみたいなので。

そのゆる~い感じ……好きです(笑)

ありがとうございます(笑)フリースクールでも少し勉強もしているので、まぁいいかなって。でも、勉強するのは5教科の勉強だけじゃなくてもいいんだよって伝えてます。

んんっ? どういうことですか?

たとえば、PC のタイピングでもいいし、ピアノでもいい。料理でもなんでもいいんです。5教科だけが大事な勉強ではないから、学ぶことを嫌いにならないでほしいんです。

机に向かってペンをもつだけが勉強ではなく、生きていくうえで大切なことをたくさん学んでほしいんですよ。

た、確かに……私、5教科の勉強ができないと将来困るんじゃないか……と思っていました。

実は、私の父も書字障害で字が書けないんです。でも、自分の得意なことを活かして自営業をしていたので……勉強ができなくても、得意なことがあれば生きていけるのを小さいころから知っていたんです。

だから、勉強ができなくても気にしてなくて。もちろん、できたらできたでいいんですけどね!5教科が勉強だけじゃないのを子どもにも伝えてます。

なるほど! よく発達障害のお子さんは得意を伸ばそうって聞きますが……そういうことなんですね。5教科だけにしぼるのはもったいない!

ちょうど先日、下の娘にもこの話をしました!
「数学が苦手だから塾に行きたい」と言ってきたので……苦手を平均にもってくるのは大変だし、それもいい考えだけど、頑張ったところで普通レベルじゃないですか。

だったら得意なことをもっと伸ばして、飛びぬけたものがあったほうが今後に活きると思うんです。だって、全部平均でも結局は平均なわけで……普通に憧れてもないし、目指してもないので!

苦手を平均にではなくて、得意を伸ばして平均以上に!
とてもいい考え方なんで、夫にも共有します!

いま中学3年生のハリーくんですが、今後の進路はどのように考えていますか?

定時制高校か、通学のある通信制高校を考えているようです。
フリースクールの友達が定時制高校に進学する子が多いのと、通信制高校は家だとあんまり集中できずレポートを出すのが大変だから、通学がいいみたいで。この2つを考えているみたいです!

あと、ぼんやりですけど、大学は PC や IT 系を勉強できる大学に行って……将来は「プログラマー」になりたいって言ってます!

プログラマー! めっちゃカッコいいじゃないですか!

カッコいいですよね!つい最近そんな話を聞きました!

ハリーは手書きが苦手なので、PC が楽しいみたいなんです。タイピングもすごい速くて!ピアノをやっているからか、指がバラバラで動くので……とにかく速いです!

タイピング……負けそうです(笑)
中学生からはっきりと自分の夢を語れるのは、すばらしいことですね。大学生になっても「なにがしたいのかわからない」なんて子も多いですから。

ハリーの場合、フリースクールの先生がいままで通っていた子の情報を教えてくれたのもよかったみたいです。こういう子はいま、こんなことしてるよって。

不登校になった人が将来どうなったのか、知る機会ってほとんどないじゃないですか。だから、みんな不安なんですよね。

確かにないです……情報は大切ですね、将来の見通しを立てられると、不安も少なくなります。

ネットで調べた情報も必要ですが、身近な人の体験談は本当に貴重だと思いますね。

では最後に、子どもが不登校になったらどうしよう……と不安でいっぱいの方に向けて、メッセージをお願いできますか?

不登校は不安ですよね、でも情報を知っていれば意外と大丈夫で!高校にも進学できますし、定時制高校なら中学生の段階から勉強をやり直してくれる学校も多いです。

自分がちゃんと学校に行っていたから「学校に行かないとどうなっちゃうの?」という心配もあったんですけど……全然大丈夫だし、不登校の子も多いのでサポートも増えてきているなと思っています。

情報を知っていれば、解消できる不安は多いですよね。勉強できる場所は、学校だけじゃない!

本当に、学校だけがすべてじゃないと思います。
やっぱり子どもが笑顔でいれば、未来は明るいなと思っています。やりたいこととか勝手に見つけてくれるので……元気が1番ですね!

大人も子どもも、笑顔で過ごせる毎日が1番大事ですよね!
あんりさんやハリーくんの体験談は、学校が苦しいと感じている方に「いろんな選択肢がある」と思えるキッカケになったのではないでしょうか。
本日は貴重なお話をありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました~!